初めて神様の姿を目にした夜
あなたには神様が居ますか?
信仰する神を持たなくとも、何かあった時、何かをやろうとしている時、無意識に天を仰いで居るのかどうか分からない存在に届くかどうか分からない願いや思いを祈っている瞬間は誰にでもあると思う。でも今回はそんな話でもない。
俺が神様に出会ったのは14歳の時。
六本乃至七本の弦を自在に操り空間を切り裂き時空を歪ませ音を紡いで人々を魅了する、その神の名はスティーヴ・ヴァイ。
「手が小さいからウクレレの方がいいんじゃないか」とか「アコースティック・ギターにしておきなさい」とかいう周りの意見を無視し、エレクトリック・ギターを始めて間もない頃だった。
そう、俺は神様に出会う前に既にギターを始めていた。憧れているギター・プレイヤーが居なかったにも関わらずだ。自分に合っている楽器だという気がどこかでしていた。そしてスティーヴ・ヴァイに出会うことによってそれは確信へと変わった。低音弦のリフで地響きを鳴らし、きらびやかなトーンでメロディを紡ぎ出す、エレクトリック・ギターという楽器の可能性に魅せられた。
来日公演は今まで何度もしあったが、精神的な余裕がなかったり、懐具合からなかなか観に行くことができなかった。
ということで、行ってきました。
Generation Axe -A Night of Guitars-
Zepp Tokyo 2017.4.7
開演前、ステージ上に聳え立つイングヴェイのマーシャルの壁を見ただけでおかしな程にテンション上がる。
オープニングで全員一斉に登場して度肝を抜かれる。
変拍子でスラップっぽい変態プレイのアバシ。
50歳になってもやんちゃな若者っぽいヌーノ。He-Man Woman Haterのイントロ生で聴けた。More Than Wordsの寸止めもあった。相変わらずかっこいい。
どんどん野獣化が進みもはや人類の枠からはみ出しているザック。ペンタトニックゴリ押し健在。ソロ弾きながら何度も
伯爵という階級を振りかざしてトリを飾ったイングヴェイ。
スティーヴ・ヴァイについてはもう何も語れない。主催なのにトリから外れて曲数少なめだったけど、やっぱり神様だった。
ザックはオジーの曲でヤングギターの完コピ大賞に応募したことがある程だし、イングヴェイは大学生の頃必死でコピーしてたし、ヌーノはあの独特のリフの組み立て方を研究したし、振り返ってみれば今回のメンバーからは結構影響を受けてる。
Black Starを弾いてるイングヴェイと神様。
撮影はオッケーだったが、撮ったのはこれ1枚だけ。
整理番号が後の方で遠過ぎた。行き慣れてるパンクバンドの感覚で、盛り上がったところで最前に突き進んで行けると思っていたのが間違いだった。モッシュもダイブもなし。みんな仁王立ちで動かないから間を縫って行ける雰囲気ではなかった。
アバシが
You guys are well behaved. Wow!
って言ってたのは皮肉だったのではないか。
最後は5人勢揃いでのHighway Starで大団円。
あっという間の3時間だった。
スティーヴ・ヴァイの手型と。
神様とは指の長さも本数も違う。敵う訳がない。