メインギター、自分にとって最高の一振りを考える。

メインギターとは何なのだろうか?

ベルセルク』のガッツが振るう大剣「ドラゴン殺し」のような物だというのが自分の考えだ。相棒ではなく戦友、自分に最適というよりはそれしか考えられない替えの効かない一振りの剣。

それ一本あれば事足りる筈なのに、何故手持ちのギターは増えていくのだろうか。そもそもライブをしない宅ロッカーにとってメインギターという概念は何なのだろうか?

見習いたいのは橘高文彦の姿勢だ。一時期キャパリソンを使っていたものの、あのギブソン67年フライングVをレコーディングでもライブでもずっと使い続けている。ネックが折れた時は電装系をそっくり別のギターに移して使っていたという逸話もかっこいい。


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十年前に買ったギブソンのヒストリック・レスポール、それが紛れもなく自分のメインギターだった。ずっと憧れ続けていた部分が大きく使用しているギタリストも多いことから、果たしてレスポールは自分らしい一本なのかという疑問が残る。きらびやかなクリーンや粘りのあるクランチは申し分ないレスポールだが、ダウンチューニングでモダンなハイゲインを出そうとすると少し無理が出てくる。一昨年にアイデアが浮かんだローCの曲を作るにあたってこれでは無理だと感じた(このレスポールについては後日改めて書き記そうと思う)。

どんなギターが自分に似合うのか考えているとどんどん深みに入り分からなくなる。

誰かが使っているモデルは候補から外すしかないのか? 本当に自分にぴったりなのにそんな理由で手にしないのは勿体なくないか?

そもそも楽器屋に並んでいる物だと誰かと被るだろうからどこかにカスタムオーダーした方がいいんじゃないのか?

悩んでいても仕方がないので単純に見た目が気に入ればそれでいいということにした。エレキギターなのでパーツ交換で変えられる部分は大きい。
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PRS SE Custom 24 Koa

これを素体にすることにした。エントリーモデルであるSEシリーズだが、そんなことは気にしない。ちょっと前、NMB48のシャク姉こと山本彩がPRS SEを堂々とメインで使っているのを見て好感を持ったことがある(最近はギブソンレスポールやらグレッチやら使っているけど)。

うす切りハム程度の厚さのコア材を化粧板として貼り付けてあるだけのコアトップ。離島に住んでいた頃馴染みのあったコアウッド、いかにも自分らしいと感じた。何本か木目を見て気に入った物を選んだ。

 

試行錯誤紆余曲折あったが、落ち着いたので現仕様を。


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ペグはゴトーのマグナムロック。これだけ記事を残してある。マグナムロックは様々な仕様があり、ペグボタンも選べるのでどのギターにもぴったりな物があると思う。

http://xiukj.hatenablog.com/entry/2017/03/18/205804


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ピックアップはDiMarzio Dark Matter 2。完全にヴァイ先生の新しいJemの影響じゃないかと言われそうだが、カバーのデザインに惹かれて抗えなかった。模様が描いてあるのではなく切り欠きになっている。エレキギタースチームパンク感が増す。音はEvolutionが元になっているので悪い訳がない。


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ESP Tremolo Tone Springs Type-1、5本掛け。裏蓋は開けっ放し。スプリング交換時の調整は以下の手順で行うと楽。

1. ちゃんとチューニング及び調整された状態でスプリングを交換。

2. ペグを使用せずにハンガーマウントスクリューを調整してチューニングが合う位置にする。

3. ペグでチューニングを合わせトレモロユニットを調整。


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不要な残響を消すためにスプリング内にAllparts SpringNO Tremolo Spring Silencersが仕込んである。スティーヴ・ヴァイティッシュを詰め込んだりしてるけど、これだと見た目が変わらずすっきりしていい。着脱も簡単だ。

 
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トグルスイッチをスイッチクラフト製に交換。この世の全てのギターのトグルスイッチをスイッチクラフト製に交換して回る旅に出たいほどのスイッチクラフト狂。トグルノブはMontreuxのローズウッド製に。


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トーン・ノブにスペーサーを噛ませて温存していたBillion Dollarsのスカル・ノブを装着。PRS SEのノブは好みのきれいなアンバーなのでボリュームの方はそのまま。

 

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エスカッションはCheap Createにオーダーして本紫檀で木目を縦に作ってもらった。
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交換後、冬の乾燥期を迎えてフロント、リアともにエスカッションが割れてしまったのだが、これは製作していただいたCheap Createさんのせいではなく、ピックアップのメタルカバーの厚みをサイズに反映させなかった自分に落ち度がある。割れてもがっちりピックアップを保持しているのでこのままでいく。


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エンドピンはディマジオのブラス製に。ゴールドではなくブラス剥き出し仕様。経年変化が楽しみ。くすんだブラス愛好家。エンドピンクッションはFreedomCGR。


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ストラップはLong Hollow Leather 70010。馬具メーカーなので作りがしっかりしている。デザインもこのギターにぴったり。少し短めなので腰で構えたい時はRed MonkeyのSlasher-2に付け替える。
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考えられる手を尽くして完成に至ったこのギター、肝腎な音は中高域が少しもっさりした感じでやや好みから外れている。メープルネックへの苦手意識がまた強まってしまった。

しかし大変満足している。轟音で低音弦のリフを掻き鳴らせば気持ちよく応えてくれる。自信を持って

「これが俺のメインギターだ!」

 とはまだ言えないけど、大切な一振りを錬成できた。

 

PRS SE Ikebe Original Custom 24 Koa

DiMarzio - Dark Matter 2 Pickups

GOTOH - Magnum Lock SG381MG-04-L3R3-B

Billion Dollars - Skull Knob

ESP - Tremolo Tone Springs Type-1

Cheap Create - Rosewood Pickup Rings

Allparts - SpringNO Tremolo Spring Silencers

Switchcraft - L Toggle Long

Montreux - Inch Toggle Switch Knob Rosewood ver. 2

D'Addario - Solid Brass End Pin

Freedon Custom Guitar - Leather endpin cushion SP-EC- 01

Long Hollow Leather - 70010 Traditonal tan

Red Monkey - Slasher-2 Length:2