「M3春2022にて全曲隠しトラックと銘打って頒布したCDの解説のようなもの」
最近創作のペースが落ちている。
賢さんコンピとメタルコンピの準備に予想以上に時間が掛かってしまい、当初考えていた自分のアルバムは諦めた。そのアルバムは本来なら去年の秋、活動10周年記念盤と同時に出すつもりでいた。
ギターは毎日弾いている。曲も作っている。しかしいざ形にしようとするとなかなか捗らない。こういう状態が何か月も続いていることに気持ちが焦って空回りしている。
上手くいかないときは一旦休んだ方がいいという助言もいただいたが、一度手を止めたら二度と戻って来れない気がする。
作りたいと考えているものがたくさんあり、それらをひとつずつ形にしているうちに新たにやりたいことが出てくる。本当に次から次へと。使える時間には限りがあるし、全てを作り切ることができないのは分かっている。取捨選択をするのがつらい。全部作りたい。
しかしどれも完成させることなく、明日突然死んでしまうかもしれない。山ほどあるやりたいことを前に悩んでいても仕方がないのだが。
今回の新譜は、この先世に出すつもりのアルバムの中から先行して試しに作ってみた曲をまとめることにした。
全曲隠しトラック扱いということでCDDBにはふざけた情報しか登録しなかったのだが、ここでのみ曲名を明かすことにする。
[1] flickering
軽率にエフェクトをあしらった気負いのないピアノ小品集より。
[2] Firestarter
リフ主体で頭の悪そうな勢いしかないアルバムより。
これはアルバム・タイトルも決まっているので、12曲揃うまではリリースできない。
[3] MNTRBEXTR#2
アナログモノフォニックシンセ単体で作り上げた実験的なアルバムより。
アナログシンセの低音が太過ぎてバランスを取るためにかなり音圧を下げた。外部シーケンサー等を使わずに単体でどこまでできるのか追求していきたい。
[4] kmrbkrkr
即興的な多重録音によるアンビエント。
[5] Jesu, Joy of Man's Desiring (J.S. Bach)
クラシックの曲をアナログシンセで再構築したアルバムより。
DAWのMIDI制御に不具合があって使えないので、これは参考としてKORG DS-10で作ったもの。
[6] thousand drops
様々な場面の雨をモチーフにしたアルバムより。
常日頃「落雷のようなリフと雨粒のようなアルペジオ」を心掛けてギターを弾いている。
[7] Air from Goldberg Variations (J.S. Bach)
多重ギターとノイズによって再構築されたバッハのゴルトベルク変奏曲。
いつか全曲録音したいが、今回やってみて年単位の時間を要するということが分かった。
[8] Air on the G String (J.S. Bach)
ボーナストラック。
M3前日の夜中に7曲のマスタリングを済ませ、何かおまけを入れたいなと思い倒れ込んだベッドの上でつま弾いた。これを入れることにより新譜のバッハ率が37.5%とかなり偏ったものになってしまった。
基本的に自分の作品は要望がある限り追加生産するし廃盤にはしないのだが、今回の新譜に限っては配信もしないし追加生産もしないつもりだ。そのため半端なカタログナンバーを振った。
創作不振な時期に足掻いた記録として何か残しておきたかった。半年に一度の同人イベントが人生における救いなので。