遠くに見える光

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 朝、目が覚めると自分の中は空っぽで、徐々にOSが読み込まれて「自分」が起動する。そしてこんな人生しか歩めて来なかったのかと絶望する。空っぽなままその日を過ごす方法はないものだろうか。
 自分の人生はずっと低空飛行だ。墜落しないだけましなのは分かっているが、それもいつまで続くか分からない。
 生きるのがどんどん下手になっていく。荒れていく部屋、溜まっていく一方の家事、読みたくて買ったはずなのに積まれていく本、聴けてない音源の数々、飾れていない複製原画やキャンバスアート。
 あんなに好きだったコーヒー、豆を挽くことすら面倒になってしまった。実家を出てからずっと続けていた自炊もここ何年かサボっている。
 なんかもう、何も上手くいきそうにない。

 先ほどPEDROの生配信があった。声出しが解禁されたフェスにBiSHが出演していたので、来ていたファンは大丈夫だったのか心配していた。常日頃「信じてもらえないかもしれないけどあなた方に支えられている」「助かってるし助かり合えているなら幸せです」と発言しているアユニさん、もがいても何者にもなれなかった自分のような人間の替わりに輝いていてくれている。その光が見えているうちはきっと大丈夫だ。